こんにちは。iQeda [@iQeeeda] です。
会社員でもフリーランスでも、SES や受託開発で生計を立てるエンジニアの方は多いと思います。
今回、SES とはなんなのか?受託開発とはなんなのか?
その違いを ①金銭面 ②訴訟 ③その他 のテーマに分けて解説します。
SES [準委任契約] とは
- システム開発の稼働時間に対してお金をもらいます
- どこかの企業に常駐させられることが多いです
①金銭面
【デメリット】いわゆる多重下請け構造にぶちあたると悲劇
大規模システム開発案件に参画すると、開発会社の力関係はピラミットになりがちです。
A 社が B 社に案件紹介、B 社が C 社に案件紹介、C 社が…
とそんな感じで 5 次請け、6 次請けの会社が絡んでくることはザラです。
その結果、開発会社が間に入った分だけマージン (利益) を抜かれて、
エンジニアの給料はどんどん安くなって人生を消耗していきます。
僕も IT 業界未経験で入社して、ピラミッドの末端の現場にいたことがあります。
当時のお給料は 20 万円ぐらいでした。
【メリット】フリーランスの SES は比較的ラクに稼げる
フリーランスの場合、自分で仕事が取れなくても大丈夫です。(もちろん取れた方がいいです)
レバテックフリーランスなどの仲介業者を使えばマージンは抜かれますが、
会社員として SES で現場に入るより稼げます。やばい案件だったら早く逃げることも可能。
昨今は「フリーランスで SES で稼ぐ」という選択肢の敷居はかなり低くなったと思います。
とはいえフリーランスになると面倒くさい作業も多い
フリーランスになると、プログラミング以外にもやらないといけないことは増えます。
- 経費の管理
- 確定申告
- 保険加入
- 最初は会社員より社会的信用が落ちてしまう
個人的に、家を借りれなくなったときはビックリしました…
フリーランスになる前に「引っ越し・クレジットカード作成」の必要があれば忘れずに。
【メリット】キャッシュフローが早い
契約によりますが、稼働した翌月に売上が振り込まれることが多いです。
売上を簡単に作れるので、資金繰りで苦しいうちは SES に頼るのも選択肢の一つかなと。
【デメリット】エンジニア単価の頭打ちが早い
SES の契約内容は、基本的に作業時間の切り売りです。
早く作業を終わらせたり、早く納品したところで目先の売上は変わりません。
また、業界平均に引っ張られた「単価の相場」に従う必要があります。
駆け出しエンジニアの場合、上限・下限の労働時間が 140 ~ 160 時間で毎月売上が 60 万円、
または 160 ~ 180 時間で毎月売上が 80 万円、のような準委任契約はよくあります。
その場合のエンジニア 1 人日の単価は 3 – 4 万円程度といえます。
会社員だと 30 〜 50 % がピンハネされて、残りがお給料になります。
フリーランスだと総取りですが、保険料や税金など自分で払わないといけません。
②訴訟
【メリット】SES は訴訟沙汰にならない (かも)
一般的に SES は瑕疵担保責任がないとされています。
納品物の完成義務がないので、もしバグがあっても賠償責任はないということです。
よほどのことがない限りは訴えられないでしょう。
でも一応「業務委託基本契約書」に瑕疵担保責任があるかどうかは確認しましょう。
SES でも条項が設けられている可能性はあります。 (…意外とあります)
③その他
【デメリット】複雑な人間関係
こちらがプロジェクトにジョインするので人間関係は選べません。
多重下請け構造だと、変な人が多くて気疲れします。(偏見)
【デメリット】技術選定に関わりにくい
SES だと現場でよそ者扱いされて、上流工程に関われないことがあります。
信頼・経験がなければ、プロジェクトの技術選定に関わるのは難しいでしょう。
フリーランスの場合、自分のスキルセットで案件を選ぶことはできます。
なので技術選定に関われなくても、得意な領域で勝負しやすいです。
案件選びは慎重に!
マニアックだったりレガシーな技術を採択している案件だと、
他の現場で使えないスキルを覚えさせられることになります。
そのスキルに希少価値があればいいですが、古い技術しか知らない老害になるとキツイです。
私見ですが、モダンな開発環境の案件の方がキャリアアップに繋がりやすいと思います。
受託開発 [請負契約] とは
- システム開発したものを納品することでお金をもらいます
- 基本的に自社開発です
- どこかの企業に常駐することはあまりないです
①金銭面
【メリット】早く納品するほど単価が高くなる
稼働時間に関係なく、ちゃんと納品すれば契約成立です。
早く開発できるとエンジニア単価は青天井に伸びていきます。
※ 逆にいえば、納品するまで終わらないのでデスマーチに陥る可能性も…
【デメリット】キャッシュフローが遅い
受託開発の売上は納品後の確認があるので、入金まで 2 ヶ月以上かかることがあります。
これから起業するような場合、初回売上まで十分な資金が必要です。
着手金をもらえるようにしたり、開発期間が長期になる場合は短期契約として分割すれば、
売上があがってくるので少し安心だと思います。
②訴訟
【デメリット】受託開発は訴えられる可能性がある
プログラムにバグはつきもの。契約を慎重に進める必要があります。
もし瑕疵担保付きの請負契約を結んだ場合、
納品物がまともに動かないと訴えられてしまう可能性があります。
瑕疵担保期間が何年もつづく契約を強いられたら要注意
「瑕疵担保期間が短い代わりに、SES で運用・保守をする」といった交渉の仕方も可能です。
くれぐれも長い瑕疵担保期間で契約を結ばないようにしましょう。
困ったら外部の力を借りることもできる
「SES 契約で再委託できる」という契約を結んでおけば、
自分じゃなく、外部エンジニアに開発させることも可能です。
もちろん瑕疵担保責任があるので、外部からあがってきた成果物はちゃんとテストしましょう。
③その他
【メリット】技術選定に関わりやすい
自社開発なので、どういう技術をプロジェクトで採用するか関わりやすいでしょう。
エンジニアにとって楽しい瞬間だと思います。
【デメリット】要件定義は慎重に!
受託開発では、どういうものを納品予定か合意をとる必要があります。そうしないと…
という言い分を相手に与えてしまいます。
…と言い返すために、要件定義はしっかりと行ってください。
瑕疵担保責任があるので、ここで認識の相違があると大変なことになってしまいます。
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